出生を届け出た|ロックマンX
そして「父」になる。
長い1日だった。1つの新しい人生の誕生を目の当たりにした記念の日となった、とか書くとカッコつけ過ぎか。病院については、インフル流行りすぎて面会は一切禁止になっていて、今日だけは特別に付き添えたが、あとは退院までは会えない。いやいや、各方面ホントにお疲れ様です、としか言いようがない。
— フナコシ (@yfunako) February 3, 2019
小学生のときにロックマンXをよくプレイしていて、あれから20年近く経った今でもBGMを脳内再生することができる。
寝付きの悪い夜があった。
しかも、なぜかロックマンXのあるステージの曲が脳内でループしており、居ても立ってもいられなくなり、検索して聴いて、より眠れなくなった。
[BGM] [SFC] ロックマンX [Megaman X]
その夜から、ロックマンXのBGMの脳内再生回数が異様な高レートを維持する日が続いた。
また別のある夜、ロックマンXのBGMが頭に鳴り響く中、破水したかもしれない、と実家へ帰っている妻から連絡が来る。
その翌日には「息子」が産まれた。
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産まれたばかりの「息子」の体重を助産師さんが測り、私はそれを横で眺めている。ジタバタと手足を動かしながら身長を測られるのを見守る。
諸々が終わると、助産師さんは「息子」を私の腕に預けてくれた。
「おとなしくていい子だねえ」
と助産師さんは言う。私は「息子」の顔を覗き込む。
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出産のときだけは付き添わせてもらったのだが、インフルエンザ大流行のため、入院している病院では面会が一切禁止だという。
夫であり「父」である私も退院までは一切会えない。面会で気を使わずに済むから、むしろ楽だと妻は言っていた。
退院した日に妻の実家で、親子での初めての夜を過ごす。
目が「息子」から離れない。
眠っている。顔をしかめる。目をあけてこちらを見つめる。
眠っている。口を大きく開ける。目をあけてどこかを見つめる。
眠っている。そのまま声を上げてまた眠る。
表情を豊かに変えながら、手足をばたつかせながら、声を上げ、生きている。
「息子」は「生きている」
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妻は毎日なにかある度に「息子」の写真を送ってくれる。
それを一つずつ眺める。
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区役所へ行ってきた。
手続きを終えると、住民票コード通知票というものを渡される。
「息子」の名前が活字で記されていた。
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自分の中にこれまでにない感情が芽生えている。
この十日ほどでそれが少しずつ、けれど確実にはっきりとしてきた。
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息子になり、父になる。